へぇ、免疫力高めがん治す薬 高脂血症薬併用で効果 実験で確認
免疫の力を高めてがんを治す、新しいタイプのがんの治療薬「オプジーボ」と同じ働きのある薬を、高脂血症の薬と併用すると治療効果が大幅に高まることを、マウスを使った実験で確認したと京都大学のグループが発表しました。オプジーボは、患者によっては全く効果が見られないことがありますが、そうした問題を解決できる可能性があるとしています。これは、京都大学大学院医学研究科の本庶佑名誉教授らのグループが発表したものです。免疫の力を高めてがんを治す、新しいタイプの治療薬オプジーボは、進行したがんを治す画期的な効果が確認される一方、患者によっては全く効果が見られないケースも少なくなく、課題となっています。
グループでは、大腸がんのマウスにオプジーボと同じ働きのある「PDーL1抗体」という薬を、別のさまざまな薬と一緒に投与し効果を調べました。その結果、高脂血症の治療に使われる「ベザフィブラート」という薬と一緒に使うと、がんのマウスの生存率がおよそ40%上がり、5匹のうち2匹でがんが完治したということです。
グループでは、ヒトでも同じような効果が確認できれば、現在、オプジーボが全く効かない患者にも有効な治療法の開発につながるとしています。
本庶名誉教授は「来年度中には治験を開始して、副作用を確認したい。順調に進めば、数年後には医療現場で使えるようになるのではないか」と話しています。