ほっ、細胞を若返らせ肝臓再生に成功 新たな治療法開発に期待
肝臓の細胞に3種類の特殊な化合物を加えることで細胞を若返らせることにねずみを使った実験で成功したと、国立がん研究センターのグループが発表しました。この細胞を肝臓病のねずみに移植したところ、肝臓の細胞を最大で9割再生させることができたということで、グループは、重い肝硬変などの新たな治療法の開発につなげたいとしています。この研究を行ったのは、国立がん研究センターの落谷孝広分野長のグループです。
グループによりますと、ねずみの肝臓の細胞に3種類の化合物を加えることで、肝細胞のもととなる「肝前駆細胞」に若返らせることに成功したということです。
さらに、この「肝前駆細胞」を肝臓病のねずみの肝臓に移植したところ、この細胞が増殖して肝臓の細胞に変化し、8週間後には、最大で肝臓の細胞の9割を再生させて肝臓の働きが正常に戻ったということです。
グループによりますと、重い肝硬変や肝臓がんの患者の中には、肝臓の移植手術で命を救えるケースがありますが、ドナー不足のため国内ではおよそ13%の患者しか移植を受けられていないということです。
研究を行った落谷分野長は「肝臓移植に代わる新たな治療法となるよう、さらに安全性を確かめる研究などを進めていきたい」と話しています。