月別アーカイブ: 2016年11月

えっ、野鳥の鳥インフルエンザ 19例 最高の警戒レベル

今月半ば以降、国内の各地で死んだ野鳥などから鳥インフルエンザウイルスが見つかるケースが相次いでいます。環境省によりますと、死んだ野鳥や野鳥のフンなどを各地の研究機関が詳しく検査した結果、鳥インフルエンザウイルスが見つかったのは今シーズン、28日までに19例に上っています。

環境省はおととし11月以来、2年ぶりに警戒レベルを最も高い「3」に引き上げ、感染のリスクが比較的低い鳥にまで対象を広げて検査するなど監視体制を強化しています。

鳥インフルエンザウイルスは感染する間に変異するため流行する年によって病原性や感染力の強さは異なり、今シーズンに国内で確認されているのはいずれも「H5N6型」と呼ばれるものです。

これは先月以来、野鳥や飼育された鳥への感染が相次いでいる韓国で見つかったものと同じ型ですが、国内への詳しい感染経路はわかっていません。

また、ネズミなどの小動物がウイルスを含むフンを運ぶなどして野鳥から養鶏場などの鳥に感染が拡大する可能性もあるとして農林水産省や環境省が管理の徹底を呼びかけています。

一方、国内で鳥インフルエンザウイルスが人に感染したケースは報告されておらず、鳥と同じ環境で生活するなどの特殊なケースを除けば通常は感染しないとしています。

えっ、不規則睡眠で肝臓がんに 米グループのマウス実験で

睡眠が不規則になり、体の1日のリズムをつかさどる体内時計が乱れると、肝臓がんになりやすいとするマウスの実験の結果を、アメリカの大学のグループが発表し、人でも不規則な睡眠によって、肝臓がんになるおそれがあるとして注意を促しています。肝臓がんは、ウイルス感染によって引き起こされるほか、肥満などで肝臓に脂肪がたまる脂肪肝になると、起きやすくなるとされています。

アメリカのベイラー医科大学などのグループは、不規則な睡眠が健康に及ぼす影響を調べようと、明かりを消す時間をずらすことで、8時間の時差がある場所を行き来するのと同様の環境を作って、マウスを飼育しました。

2つの時間帯を3日から4日ごとに行き来させ、体内時計が乱れた生活を続けさせたところ、健康的な食事を与えてもマウスは太り、実験開始から1年9か月後までにほぼすべてが脂肪肝になって、9%のマウスが肝臓がんになったということです。

一方で、規則正しい睡眠をしていたマウスは肝臓がんにならず、研究グループは、睡眠が不規則なマウスでは通常は消化を助ける酸が増えすぎ肝臓がんにつながっていたとしています。

研究は、アメリカの科学雑誌「キャンサー・セル」に発表され、研究グループは、人でも時差ぼけや夜更かしで睡眠が不規則になると、肝臓がんのリスクが高まるおそれがあるとして、注意を促す一方、「体内時計の役割を理解して、生活を改善することで、がんのリスクを下げられる」としています。

へぇー、恐怖の記憶を消す脳科学の新手法 民間機関が開発

怖さを感じた経験から恐怖の記憶を打ち消す脳科学の新たな手法を京都の民間の研究機関などのグループが開発しました。グループでは、将来的には、過去の経験から反射的に恐怖を感じる症状を和らげる治療法の開発にもつなげられるよう研究を深めたいとしています。脳科学の新たな手法を開発したのは、京都府精華町にある民間の研究機関、

「国際電気通信基礎技術研究所」などのグループです。

グループでは、20代の男女9人に、赤い図形を見たときに、安全上問題のない範囲で電気ショックを受ける「恐怖の経験」をしてもらい、MRIを使って脳のどの部分が活動したかを調べました。

そのうえで、9人にはMRIの装置で横になったまま、さまざまな考え事をしてもらい、無意識のうちに赤い図形の記憶が脳の中に現れたときに、うれしいプレゼントとして現金を与える実験を3日間繰り返しました。その結果、9人とも、赤い図形を見ても皮膚から出る汗の量がおよそ半分に減少し、恐れる反応を和らげることに成功したということです。

研究グループでは、赤い図形を見たときに連想する記憶が、「恐怖」から「報酬」に置き換わったと見ています。

グループでは、将来的には、過去の経験から反射的に恐怖を感じる症状を和らげる治療法の開発にもつなげられるよう研究を深めていきたいとしています。

研究グループの代表を務める小泉愛研究員は、「まだまだ基礎研究の段階で、ひとつひとつ課題を克服し、実際の治療に応用できるように研究を深めていきたい」と話しています。

えっ、1日の平均睡眠時間 成人の約4割“6時間未満”

1日の平均睡眠時間を厚生労働省が調査したところ、成人のおよそ4割が「6時間に満たない」と回答したことがわかりました。睡眠時間の妨げになっている要因では仕事や家事という回答が多く、厚生労働省は、背景に長時間労働や共働きの増加があると分析しています。厚生労働省は、睡眠時間や健康状況などについて毎年アンケート調査を行っていて、去年11月に全国のおよそ3500世帯から回答を得ました。

その結果、成人の中で1日の平均睡眠時間が「6時間に満たない」と回答した人は39.5%と、前の年を2.9ポイント上回り、調査を始めた平成17年以降で最も多くなりました。

このうち、「睡眠時間が足りなかった」と回答した人は男性で34.6%、女性で39.5%で、「日中に眠気を感じた」と回答した人も男性で44.5%、女性で48.7%に上りました。

また、睡眠時間の妨げになっている要因を複数回答で聞いたところ、男性では「仕事」が37.7%で最も多く、次いで「健康状態」が14%でした。

一方、女性では「家事」が21%で、「仕事」が19.7%でした。

厚生労働省は、睡眠時間が短い背景には長時間労働や共働きの増加があると分析したうえで、「健康を維持していくために睡眠時間の十分な確保に必要な施策を検討したい」と話しています。

えっ、ツル越冬地で強い毒性の鳥インフルエンザウイルス検出 鹿児島

国内最大のツルの越冬地、鹿児島県出水市の出水平野で、ツルがねぐらにしている水田の水から強い毒性を持つ鳥インフルエンザウイルスが検出されました。鹿児島県によりますと、ツルなどの野鳥や周辺の養鶏場で感染が疑われる事例は今のところ報告されていませんが、県などが監視を強化しています。
鹿児島県によりますと今月14日、出水市の出水平野でツルがねぐらにしている水田で採取された水を鹿児島大学が検査したところ、18日、強い毒性を持つH5N6亜型の鳥インフルエンザウイルスが検出されたということです。

今シーズン、強い毒性を持つ鳥インフルエンザウイルスが検出されたのは全国で初めてです。

鹿児島県によりますと、今のところツルなどの野鳥や周辺の養鶏場などで感染が疑われる事例は報告されていませんが、環境省は水が採取された場所から半径10キロを野鳥の監視を強化する区域に指定したほか、鹿児島県も19日から半径3キロ以内の養鶏場でニワトリに異常がないか調査することにしています。

出水平野は毎年1万羽を超えるツルが飛来する国内最大の越冬地で、2年前の冬にもツルなどの野鳥から毒性の強い鳥インフルエンザウイルスが相次いで検出されました。

ほっ、細胞を若返らせ肝臓再生に成功 新たな治療法開発に期待

肝臓の細胞に3種類の特殊な化合物を加えることで細胞を若返らせることにねずみを使った実験で成功したと、国立がん研究センターのグループが発表しました。この細胞を肝臓病のねずみに移植したところ、肝臓の細胞を最大で9割再生させることができたということで、グループは、重い肝硬変などの新たな治療法の開発につなげたいとしています。この研究を行ったのは、国立がん研究センターの落谷孝広分野長のグループです。

グループによりますと、ねずみの肝臓の細胞に3種類の化合物を加えることで、肝細胞のもととなる「肝前駆細胞」に若返らせることに成功したということです。

さらに、この「肝前駆細胞」を肝臓病のねずみの肝臓に移植したところ、この細胞が増殖して肝臓の細胞に変化し、8週間後には、最大で肝臓の細胞の9割を再生させて肝臓の働きが正常に戻ったということです。

グループによりますと、重い肝硬変や肝臓がんの患者の中には、肝臓の移植手術で命を救えるケースがありますが、ドナー不足のため国内ではおよそ13%の患者しか移植を受けられていないということです。

研究を行った落谷分野長は「肝臓移植に代わる新たな治療法となるよう、さらに安全性を確かめる研究などを進めていきたい」と話しています。