月別アーカイブ: 2017年1月

へぇ、免疫力高めがん治す薬 高脂血症薬併用で効果 実験で確認

免疫の力を高めてがんを治す、新しいタイプのがんの治療薬「オプジーボ」と同じ働きのある薬を、高脂血症の薬と併用すると治療効果が大幅に高まることを、マウスを使った実験で確認したと京都大学のグループが発表しました。オプジーボは、患者によっては全く効果が見られないことがありますが、そうした問題を解決できる可能性があるとしています。これは、京都大学大学院医学研究科の本庶佑名誉教授らのグループが発表したものです。免疫の力を高めてがんを治す、新しいタイプの治療薬オプジーボは、進行したがんを治す画期的な効果が確認される一方、患者によっては全く効果が見られないケースも少なくなく、課題となっています。

グループでは、大腸がんのマウスにオプジーボと同じ働きのある「PDーL1抗体」という薬を、別のさまざまな薬と一緒に投与し効果を調べました。その結果、高脂血症の治療に使われる「ベザフィブラート」という薬と一緒に使うと、がんのマウスの生存率がおよそ40%上がり、5匹のうち2匹でがんが完治したということです。

グループでは、ヒトでも同じような効果が確認できれば、現在、オプジーボが全く効かない患者にも有効な治療法の開発につながるとしています。

本庶名誉教授は「来年度中には治験を開始して、副作用を確認したい。順調に進めば、数年後には医療現場で使えるようになるのではないか」と話しています。

へぇ、ヒトのES細胞から小型の「腸」作製に成功

体のさまざまな組織になるヒトのES細胞から、大きさが1センチほどの「腸」を作り出すことに、国立成育医療研究センターのグループが成功しました。タンパク質や水分を吸収するなどヒトの腸とほぼ同じ機能をもち、便秘薬や下痢止めにも反応するということで、グループでは腸の難病の治療法の開発などに役立つとしています。研究を行ったのは、国立成育医療研究センターの阿久津英憲部長らのグループです。グループによりますと、ヒトのES細胞に3種類の特殊なタンパク質を加え、1か月から2か月程度培養したところ、大きさが1センチほどの小型の腸ができたということです。

内部には、ヒトの小腸と同じように栄養を吸収する「柔毛」と呼ばれる突起があり、収縮運動をしてタンパク質や水分を取り込む様子が確認できました。また、医療現場で使われている液体の便秘薬をかけると、ヒトの腸が便を排出する際行うのと同じ収縮運動を始め、反対に下痢止めをかけると、収縮運動をしなくなるなどの反応も確認できたということです。

グループによりますと、ヒトの腸とほぼ同等の機能をもつ小型の「腸」ができたのは初めてだということで、「クローン病」や「潰瘍性大腸炎」など完治が難しい腸の難病の治療法の開発などに役立つとしています。

阿久津部長は「腸の難病の発症のメカニズムの解明や薬の開発につながる成果で、今後も研究を続けていきたい」と話しています。

ほぅ、医療介護のデータ 一元化を検討へ 厚生労働省

厚生労働省は、国民の健康管理の推進に向け、これまで連携が不十分だった医療と介護のデータを一元化して健康管理の研究などに活用しようと、今週、省内に改革推進本部を設置して、議論を始める方針です。医療機関に支払われる診療報酬と介護サービスの事業者に支払われる介護報酬の情報は、審査支払機関に蓄積されていますが、相互に連携しない形で整備されてきた結果、国民の健康管理にデータを一体的に活用できないことが課題になっています。

このため、厚生労働省は、医療と介護のデータを一元化し、健康管理の研究などに活用しようと、今週、塩崎厚生労働大臣を本部長とする「データヘルス改革推進本部」を設置して、議論を始めることになりました。

具体的には、診療報酬や介護報酬の審査支払機関のシステムを改修し、医療と介護のデータを一元化したうえで、医師や研究者に介護予防や健康増進策の研究などに活用してもらうため、患者の健康診断の内容や診察の履歴などの情報を見られるようにすることなどを検討するということです。

厚生労働省は、こうしたシステムを平成32年度から本格的に稼働させたいとしています。

ほぅ、高齢者の薬 副作用防止へ手引書作成

高齢者の中には複数の薬を日常的に飲んでいる人が少なくありませんが、薬の副作用と見られる症状をおこす人が後を絶たないことから、日本老年医学会などが注意点をまとめた手引書を作成しました。手引書を作成したのは日本老年医学会と日本医療研究開発機構のグループです。それによりますと、75歳以上の高齢者のおよそ4人に1人が7種類以上の薬を飲んでいますが、高齢者は若い人に比べ薬が体内にとどまりやすいため薬が6種類以上になると副作用を起こす人が増えるということです。副作用で多いのはふらつきや転倒で、転倒による骨折をきっかけに寝たきりになって認知症を発症したりするおそれがあると指摘しています。

こうしたリスクを下げるために手引き書では、まず自己判断で薬を中断しないこと、かかりつけの医師に薬の量や数について相談し優先順位をつけることなどを呼びかけたうえで、不眠症やうつ病の薬など17タイプの薬をふらつきや転倒をおこしやすい特に注意が必要な薬として挙げています。

手引書を作成した東京大学病院老年病科の秋下雅弘教授は「高齢者ほど気をつけなくてはいけない薬が多い。かかりつけの医師と相談し、自分にあった薬物療法を見つけてほしい」と話しています。この手引き書はインターネット上でも見ることができます。

新年の挨拶

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
昨年中はいろいろお世話になりました。
今年もまた仕事に力を入れ、皆様のご期待に添えるよう頑張りたいと思います。