月別アーカイブ: 2016年5月

「スーパーマーズ」 火星が地球に最接近

地球の隣にある惑星、火星が31日、地球に最接近しています。「スーパーマーズ」とも言われ、今回は最近10年間で最も近い距離になっています。国立天文台によりますと、これから1週間程度は天候に恵まれれば、いつもより明るく大きい火星が都市部でも肉眼で見ることができるということです。

太陽系で隣り合う火星と地球は、太陽の周りを回る周期の違いからおよそ2年2か月に1回、接近します。ただ、地球の軌道がほぼ円形なのに対して、火星の軌道がだ円になっていることから、火星と地球との距離は、接近するたびに変わります。

国立天文台によりますと、火星は31日、地球に最接近し、今回はおよそ7500万キロまで近づいて、この10年間では最も近い距離になっています。

火星の明るさは1等星のおよそ15倍の「マイナス2等星」くらいになるとみられ、地球から見える火星の見かけの大きさも、ことしの最も小さいときと比べて直径がおよそ3倍になります。

最接近する火星は「スーパーマーズ」とも呼ばれ、日没とともに南東の空に現れ、夜遅くには南の空に赤く光る様子が観測できます。

これから1週間程度は、天候に恵まれれば、いつもより明るく大きい火星が一晩を通して、都市部でも肉眼で見ることができるということです。

国立天文台によりますと、次に火星が地球に接近するのは、2年後の2018年7月31日です。このときの地球との距離は、今回の4分の3となるおよそ5700万キロにまで迫り、火星の見かけの大きさは、今回と比べて直径がさらに1.3倍にもなる、まさに「大接近」になるということです。

えっ、新型ノロウイルス 大流行

ことし9月以降に国内で発生したノロウイルスの集団感染は、ほとんどが遺伝子の変異した新型ウイルスによるものだったことが分かり、国立感染症研究所は、今後、新型ウイルスによる大きな流行がおきるおそれが高まったとしていて、厚生労働省も全国の自治体に注意を呼びかけました。

ほぉ、脳を刺激しマウスの記憶力高めることに成功

睡眠不足は記憶の定着を妨げることが知られていますが、脳の特定の場所を刺激することで、睡眠不足のマウスの記憶力を高めることに成功したと理化学研究所などのグループが発表しました。
この研究を行ったのは、理化学研究所の村山正宜チームリーダーなどのグループです。

睡眠が不足すると起きている間に体験した記憶の定着が妨げられ、物事を覚えにくくなることが知られていますが、詳しいメカニズムは分かっていませんでした。

研究グループでは、まず、マウスを滑りやすい床の上で10分間自由に行動させ、床の感触を学習させました。そのあと別の場所に移し、睡眠不足の状態のまま、脳の大脳新皮質にある特定の場所を光を使って刺激したということです。

すると、脳を刺激しなかったマウスは床の感触を記憶していませんでしたが、刺激したマウスは床の感触を記憶していることがマウスの行動から確認できたということです。さらに、脳の特定の場所を刺激したマウスは、睡眠をしっかりと取ったマウスと比べても、記憶を長く維持できていることも分かったとしています。

村山チームリーダーは「睡眠障害の患者や、高齢者の記憶力の低下を改善させる方法の開発につながる可能性がある」と話しています。

ほう、火星で巨大津波か 30億年以上前の痕跡発見

火星で30億年以上前に津波が発生したことを示す痕跡を発見したと、アメリカなどの国際研究機関が発表し、火星のかつての姿を理解するうえで重要な成果として注目されています。
これはアメリカやドイツ、スペインなどの国際研究チームが19日付けのイギリスの科学雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表したものです。

研究チームは火星を回っている複数の探査機の観測で得られた画像やデータを解析して、火星の北半球の地形を詳しく調べたところ、広い範囲で、岩石などが斜面を上に向かって押し上げられるように堆積している地形を見つけました。

この地形は、およそ34億年前、火星に海があったと考えられている時期に発生した津波によって押し流されて堆積したと考えることで説明できるとしています。

研究チームは2回の津波の痕跡を見つけ、これらの津波は直径30キロメートルものクレーターを残した隕石(いんせき)の衝突によって引き起こされ、高さは最大で120メートルに達したとみられるとしています。

火星には一時期、海が広がっていたと考えられているものの、明確な海岸線が見つかっていないことについては、「津波によって海岸線が消され、あいまいになっているためだ」としていて、今回の成果は火星のかつての姿を理解するうえで重要な成果として注目されています。