月別アーカイブ: 2015年8月

えっ、住民対象に全国初のマダニ抗体調査

マダニが媒介する感染症、SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」は発熱や腹痛などの症状が出て、重症化すると死亡することもあります。おととし国内で初めて感染が確認され、先月までに西日本を中心に全国で44人が死亡していますが、確立した治療方法はまだありません。調査は東京の国立感染症研究所と愛媛県立衛生環境研究所が、患者が発生している愛媛県内の7つの市と町で農業や林業に携わっているおよそ700人を対象に行っています。このうち、愛媛県伊予市で行われた調査には29人が参加し、1日の屋外作業の平均時間や、ペットの飼育歴、治療中の病気などを回答する問診票を提出したあと、マダニにかまれた人にできるウイルスの抗体があるかどうかを調べるため採血を受けました。感染者への調査以外で一定の地域の住民を対象にこうした調査が行われるのは、全国で初めてだということです。

多剤耐性菌識別の検査キット 開発

抗生物質がほとんど効かない細菌「多剤耐性アシネトバクター」のなかで、院内感染を引き起こしやすいタイプの菌を簡単に識別できる検査キットを名古屋大学などの研究グループが開発しました。抗生物質がほとんど効かない「多剤耐性アシネトバクター」は20年ほど前から欧米などの医療現場で感染が広がり、免疫が低下した入院患者が死亡するなど大きな問題となっていて、日本でも、海外で治療を受けた患者を通して医療現場に持ち込まれるケースが相次いでいます。