月別アーカイブ: 2016年2月

えっ、抗生物質使用量把握システム 全国に登録呼びかけ

抗生物質の使い過ぎなどが原因で薬の効かない耐性菌のまん延が世界的に問題になるなか、三重大学の研究グループは抗生物質の使用量を把握するシステムを作り、全国の医療機関に登録を呼びかけています。システムを作ったのは、三重大学医学部附属病院薬剤部の村木優一さんなどの研究グループです。

抗生物質は使用量が多いほど薬の効かない耐性菌が現れやすいと言われていますが、これまで国内では使用量を把握するシステムがありませんでした。

このため研究グループは、医療機関が入院患者に対して使った抗生物質の量を種類ごとに月別に入力し、登録するシステムを作りました。登録すれば、病院での使用状況が確認できるほか、今後はほかの医療機関と比較できるデータも提供されるということです。

研究グループは全国の医療機関に登録を呼びかけていて、これまでにおよそ500の医療機関が参加したということです。

ほっ、情報伝達より速い神経細胞 iPS細胞から作製成功

ヒトのiPS細胞から情報伝達のスピードがより速い神経細胞を作り出すことに慶応大学の研究グループが成功しました。グループでは、2年後をめどに交通事故などで脊髄を損傷した患者を治療する研究を進めていて、患者の体の運動機能を事故前の状態により近づけるのに役立つ可能性があるとしています。

えっ、心停止の患者 水素で脳ダメージ軽減 臨床研究開始へ

水素には細胞が死ぬのを抑える効果があり、慶応大学のグループはこれまで、ねずみを使った実験で心停止後の生存率を38%から71%に高め、脳細胞へのダメージも減らせることを確認しています。臨床研究では今後2年間にわたって、心停止状態となった患者180人に18時間、水素ガスを吸わせ安全性と効果を確認することにしています。効果が確認できれば、早ければ3年後には医療現場で実際に広く使えるようにしたいとしています。

慶応大学病院の堀進悟救急科診療部長は、「単に命を救うだけではなく社会復帰させるのが医療の目的であり、水素ガスの利用でそうした人を増やせる可能性があると考えている」と話しています。

えー、ジカ熱感染 新たにタイも 34の国と地域に拡大

WHOが12日現在でまとめた最新のデータによりますと、これまでに、ブラジルやコロンビアなど中南米やカリブ海周辺の26の国と地域、それにサモアやトンガなど太平洋の5つの国と地域、アジアではタイとモルディブの2か国、アフリカのカボベルデの合わせて34の国と地域で、地元に生息する蚊を媒介するなどしてジカ熱への感染が広がっているということです。

え、ジカ熱 国内感染防止へ関係省庁が対策強化へ

政府は、中南米を中心に感染が広がっている「ジカ熱」への対応を協議する、関係省庁による初めての対策会議を開き、国内での感染を防ぐため、各省庁が連携して対策を強化していくことを確認しました。外務省は、特に妊娠中の人などを対象に、流行している国や地域への渡航を可能なかぎり控えるよう呼びかけるなど、国民への情報提供や注意喚起に当たっていることを報告しました。そして、対策会議では、国内での感染を防ぐため、各省庁が連携して対策を強化していくことを確認しました。